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たくさんの技術者の手によって、S-cut床暖房は誕生しました。S-cut床暖房にこめられた技術、開発にいたるまでの経緯、製造する工場についてご紹介します。
開発までにはいくつもの壁がありましたが、ふとした偶然から問題は解決。そして、S-cut床暖房は完成しました。
開発秘話
S-cut床暖房を製造する工場をご紹介します。本社の工場でS-cut床暖房は作られ、全国へ送られています。
工場紹介
Scutヒーターは他製品のような突入電流を計算に入れず設計が出来ます。
突入電流とは電源を入れ、しばらくは定格電流の数倍の電流が流れることを言います。このため、他の電気製品などを使用中に、突入電流を計算していない床暖房を入れると、契約電気容量をオーバーしてしまい、ブレーカーが切れることがあります。
Scutは常に安定した電流なので、突入電流の心配をすることなく設計できます。
フローリングの上に20cm程のものを置いた場合、物の下の温度はこもり熱のためどんどん上昇します。この時Scutは金属のためカーボンヒーターのような樹脂ヒーターと違い、熱伝導率が高いためこの、こもり熱がなんとヒーターを通して熱移動します。このため他メーカー品と比べ大きくこもり熱が低いのです。
この部分はヒーターでも一番弱いとされる銅などの導電帯と電線とをつなぐ部分です。
輸送途中や施工中などで、この部分の接続が不良となる可能性も考えられ、事実この部分での故障も多いのです。
Scutはこの電線と発熱線(ステンレス合金)とをしっかりと溶接し、さらに樹脂にて絶縁・防水のため一体成形しています。
この強度は抜群で、1000キロ以上のものを載せても破損しません。また、引張っても電線の方が切れてしまいます。
Scutヒーター は、 通常35℃程で使用します 。
さて、私たちが使用している電圧は100Vと思っていませんか。実は時間帯によっては110Vくらいまで上がることもあります。このようなとき、ヒーターの能力は20%も上がるのです。
でも、通常はコントローラーにより、決められた温度帯で運転します。しかし、この出力をしている部分(リレー)が故障したら?
大丈夫です。もう一つの異常過熱防止センサー(50℃)が働き、電源出力を止めます。
さらに、48℃くらいで動いていても切り忘れ防止システムが働き、電力を入れてから12時間後には電力出力を止めます。このようにヒーターの設計から温度コントロールまで、2重3重の安全設計がS-cut床暖房にはされています。
S-cut床暖房が完成するまでには、いくつもの壁を乗り越えなければいけませんでした。S-cut床暖房が誕生するまでの経緯をご紹介します。
当社はもともと積雪地の屋根融雪の工事・施工をしていました。その当時、新技術として期待されていた製品が、PTC効果があるカーボン面状ヒーターでした。
PTC効果とは一定の温度に達すると電気抵抗値が急激に高くなって、電流値が減ることです。これにより、異常発熱の防止や電気代の節約もできると期待されていました。
しかし、1部のヒーターは数年後、経年変化により抵抗値が変わってしまいました。予想以上に発熱するヒーターがあるかと思えば、暖かくならないヒーターもあるなど、苦労の連続でした。
この経年変化については問題解決のための特許が多く出されていてほんとうに有効なものがあるのかあらためてヒーターを調べ、やがてひとつのことがわかりました。多くのケースで、カーボンヒーターの経年変化に対する措置をしていなかったのです。考え方の転換が必要でした。
試行錯誤を続けていたある日のことでした。自宅で12V用ヒーターの開発中、電源コードがないため手元にあった針金を代用すると、真っ赤になって発熱しました。今考えるとあたりまえのことですが、これがヒントになって薄いステンレスの鋼板を利用することを思いつきました。これこそが求めていた経年変化のない面状ヒーターの始まりとなりました。
そこから改良に改良を重ね、サビ、曲がり、ゆがみなどの問題も一つひとつ解決していきました。そして完成したS-cutヒーターを平成8年から販売。平成10年には床暖房用ヒーターとして販売開始しました。
S-cut床暖房はすべてがオーダーメイド。工場のスタッフは細心の注意を払いながら、製造しています。日々、S-cut床暖房を製造する工場をご紹介します。
床暖房の品質の善し悪しは、工場での管理に尽きます。整理整頓はもちろん、チリのない清潔な環境、マニュアルにもとづく一人ひとりの作業に加え、各々の密な連携と協力体制が必要です。
当社の工場では厳正な安全検査をおこなってから、S-cut床暖房を全国へ出荷しています。社内製造監査はもとより、財団法人電気安全環境研究所の指導も受け、常に万全な体制作りに努めています。
今後も全国の施工員の皆様とともに、工場職員一丸となって頑張っていきたいと思います。よろしくお願いします。